定年待てないオヤジの日記

こころはもう、定年後の自由生活を夢見てる、オヤジの生活日記です。

読書(騎士団長殺し・第2部、羅針盤は壊れても)



騎士団長殺しは、第1部を読み終えてから、第2部をリクエスト
したので、半年以上かかってしまいました。細かい物語を忘れて
しまい読み進むうちに思い出してきました。




騎士団長殺し・第2部


正直言うと期待していたほど面白くはなかったです。
第1部はそれでも、これからの展開を期待させる雰囲気を感じましたが、
第2部は村上作品にしては珍しく、読んでいてねむくなることも再々でした。いつものパラレルワールドの世界が描かれていますが、エンタメ要素
的なものをあえて少なくし、新しいことに挑戦したのでしょうか。
1Q84の面白さを期待していたので、あくまで個人的には今一つでした。




羅針盤は壊れても

苦役列車が芥川賞をとったとき読んで、衝撃的だったのでこの本の書評を
読みすぐリクエストしました。

4つの作品が収められている小説集です。


・陋劣夜曲(ろうれつ:心持ちが卑劣なこととあります)
 働くことが嫌いで、劣等感いっぱいの、おなじみ北町貫多のアルバイト先
(青果市場)でのトラブル話と、自宅アパートでの話(これもトラブル)
 です。


・羅針盤は壊れても
 これもアルバイト先(味噌の訪問販売)でのことが中心の話です。
 北町貫多が、文学(私小説作家)好きであることが、判明しました。


・廃疾かかえて(はいしつ:なかなか治らず、治った後も障害が残る
        ことが多い病気のことらしいです)
 私小説好きの主人公北町貫多の、同居している秋恵との日常の出来事
 と、秋恵の女友達に対する借金をめぐる廃疾のような、卑屈な心の
 葛藤がかかれています。


・瘡瘢旅行(そうはん:きずあとのこと)
 私小説好きの北町貫多が、どうしても欲しい古本をルール違反しても
 購入するべく、同居する女と(作戦として)岐阜の古本屋へ、傷つけ
 あいながら旅行します。この旅行のせいなのか、女は3か月後に、
 パート先で知り合った優男のところへ逃げて行ってしまいます。



働くことが嫌いな主人公が、厳しい社会で生きていく、本当に真っ正直
な心情が描かれていて読んでしまいます。また主人公は私小説好きな
一面があり、もちろん、著者自身がモデルだと思います。
結構、難解な漢字を好んで使うのと、キャラクターの割には、自分の
ことを‘俺’ではなく‘僕’と言わせているのが、ある種違和感を感じますが
それも計算されているのでしょうか。