読書(あの日にドライブ、女流放談、流転の海:野の春)
新聞等の書評を読んで、借りた3冊です。
①あの日にドライブ
先が見えてくる年代になれば、必ず主人公のような考えをする気がします。
選ばなかった人生を思って、第3者から見れば、可笑し過ぎる主人公の
妄想が面白かったです。
②女流放談
多忙で整理を怠ったというのが、本当ならとても残念な気もしますが、
かえって今のこの時のほうが、冷静に時代の流れが理解できて良かった
気もします。著者はドイツ人ゆえか、質問は理論的・直接的であり、
日本人作家たちは、特に古い年代の方が、決めつけない回答をしている
ケースが多かったですが、率直な内容だったと思います。
③野の春(流転の海 第9部)
昨年12月から順次借りて読み始めて、やっと完結しました。
最初は、もっと波乱の物語になるかと思いましたが、ラストは少し悲しい
内容になりました。主人公も脇役のキャラクターも魅力的だし、面白かったですが、正直言うと少し長くなりすぎた気もします。
あとがきで作者は、「37年もかけて、なにを書きたかったのかと問われたら、“ひとりひとりの無名の人間の中なかの壮大な生老病死の劇”と答えるしかない。それ以外の説明は不要だと思う。」と書いています。