定年待てないオヤジの日記

こころはもう、定年後の自由生活を夢見てる、オヤジの生活日記です。

読書(何もしないほうが得な日本)



小説ではないですが、リクエストしていた本を読み終わりました。
題名に興味を感じてリクエストしました。


社会に広がる消極的利己主義(自分さえよければ他はどうでもいい)
の構造とあります。
日本人の胸裏に隠されたタブーを大規模アンケート調査等により、
浮き彫りにしたとありますが、多分多くの日本人が日頃生活していて
気が付いていること&思っていることをデータで示して解説した内容
となっています。




企業・学校・公務員・官僚からPTAや町内会に至るまで、組織においては
挑戦と保身(何もしない)を比べたら、コスパがいいのは、保身であると
いうことを皆知っているので、表向きは「やる気」をみせるが本音では
そうは思っていないということだと思います。


確かに組織の中で動いていれば、本当の本音は、やる気を見せても忙しく
なるだけで、その割にメリットが小さかったりデメリットだったりすると
思っている人が多いでしょう。
得意なことでも隠すことがあるのは、忙しくなるだけでインセンティブが
少ないと感じているからとのことです。
また周りの人も本音では新しいことをやる人間は迷惑に感じていて、仲間
の挑戦に対しては、本音と建前があり正直チャレンジされると迷惑である
と考えている人が多数のようです。
アメリカでも環境によっては、そこそこの働き方が要求されるようです。
だからやる気(目標管理)をアピールして見せかけ(今の会社に好きでい
るわけではない)の勤勉なのが日本の実態であることが、30年の停滞の
大きな本当の原因であるとのことです。
確かによほど信頼できる同僚でないと本当のことは言えないでしょう。


個人的には、バブルも弾けて、封建制度ではないですが、奉公しても
見返りが少なくなったことに気が付いて、いまのような実態になった気が
してます。



日本のシステムの欠陥として、個と全体は利害対立するのにそれを
認めない社会(組織はその方が都合がいい)があるため、総論賛成、
各論反対になるとのことです。


日本の社会がこれ以上消滅する前に「する方が得」な仕組みへ変え
ることが必要(うすうす気が付いていると思いますが)で、いくつ
か例が述べられています。
・ジョブ型の導入→誰かが休んだ時、仕事の範囲が決まっているので
         皆でカバーするとはならず、代わりを持ってくる
         しかない
・三井住友海上 →誰かが育休を取得したら、同僚に手当を支給する
・町内会    →ある自治体では、行政の町内会頼りをやめて、
         強制でなくてできる限りの参加型にしたら、逆に
         参加者が増えた  など


「個」より「全体」を重視する(性善説的)、今のシステムでは乗り
越えられない。日本式制度改革は共同体に依存する人々なので難しく
限界にきているとのことでした。


「する方が得」な仕組みと一言でいっても、なかなか難しいでしょう。
ニュース等で聞く他の国のように、あまりぎすぎすする社会は嫌だし
でも今よりは「する方が得」にならないと厳しいでしょうし、最近は
少しずつ動き出している気がします。そして色々な価値観が尊重され
る社会にならないと、格差だけの生きづらい社会になってしまう気が
しています。