定年待てないオヤジの日記

こころはもう、定年後の自由生活を夢見てる、オヤジの生活日記です。

読書(JR上野駅公園口)



昨日は、孫のお遊戯会を見にかみさんと出かけてきました。
新宿からは、山手線が運休していたので、埼京線のホーム
はいくらか混雑していました。




新聞の書評を読んで、リクエストして、久しぶりに1冊
読みました。



ホームレスになった男の運のなかった生涯の話ですが、
正直なところ一度も食べることや寝る場所に困ったこと
のない幸せ(運がいい)生活を送ってきた自分には、
真に主人公を理解はできないと思います。
こういう時代があったことを思い起こさせる作品でした。






主人公は、長男が東京で急に病死し、やがて両親も死んで、妻も
これからという(ほとんど出稼ぎで一緒にいたのは合わせても
1年ほどだった)65歳で亡くなりました。娘が父親の一人を
心配して、孫(麻里)を使わしてくれました。



21歳になったばかりの麻里を祖父である自分とこの家に縛る
わけにはいかないと思った。
〈突然いなくなってすいません。いつも、おいしい朝飯を作って
くれてありがとう〉と書き置きをして、押し入れから出稼ぎに
行く時に使っていた黒いボストンバッグを取り出し、身の回り
の物を詰め込んだ。
鹿島駅から常磐線に乗り終点の上野駅で降りた。


・・・・


麻里はハンドルを握ってアクセルを踏み、バックのまま国道6号
線に向かったが、黒い波が車を追い掛け、吞み込んだ。引き波に
持っていかれ、孫娘と二匹の犬を乗せた車が海中に沈んだ。



全米図書賞の翻訳文学部門を受賞したそうです。



先日、ちらっとTVでどこかの中学生が、3年間空き缶を拾い集め
それを売ったお金で車いすを寄贈したという話(ニュース)を
みました。本当に素晴らしいことですが、
この小説を読み終わったところだったので、ホームレスの人が
集める空き缶が少なくなったりしなかったのだろうか、とふっと
思ってしまいました。