定年待てないオヤジの日記

こころはもう、定年後の自由生活を夢見てる、オヤジの生活日記です。

読書(夏目漱石集)

30年ほど前に買った、日本と世界の文学集(一部)を、
時間もふえたので読み始めました。
今にして思えば、わざわざ場所をとるものをお金を出して
なぜ買ったのか、図書館で借りればいいのにと思います。


先日、夏目漱石集をやっと読み終えました。
漱石の作品は、自分としては、主人公の行動や語り口が
思い切りがいいのと高揚感あるストーリー展開が魅力かな
と思います。


しばらくするとすぐ内容を忘れたりするので、自分のためにも
簡単なメモを残そうと思います。


・吾輩は猫である
 はじまりは、「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
 中1の時に読んで、題名のわりには語彙などがむずかしく
 途中で断念した記憶があります。
 しがない学校教師の家の猫が、日常生活を観察してかたる
 話ですが、近代化された明治人に対する批評なのだと思います。
 最後、ビールを飲んでふらふらになり、大きなカメに落ちて
 死んでしまうのは意外でした。(少しかわいそう)


・坊っちゃん
 ストーリーはほぼ知ってましたが、改めて読んでみると
 こんなに面白かったんだと再認識しました。


・草枕
 山の温泉場に気ままに旅をし、そこで謎の美女が現れる
 話ですが、主人公のような気ままな旅をして、生活の
 ためだけでなく、自分の知的満足(漱石は、生活するだけの
 むなしい人生だけでは生きていけず、それを彩るものという)
 だけの時を過ごすことに憧れます。


・三四郎
 地方から上京して学生生活をすごす話。
 いつの時代も経験するような内容で、共感されてきた作品
 なのだと思います。
 はじまりの、上京する時に、汽車でいっしょだった女(ひと)
 と宿で同部屋となり、朝までなにもなく(できず)、
 「いくじのない方ですね。」と言われてしまうところは、
 衝撃的です。


・それから
 一言でいえば友人の妻に告白する話でした。
 富裕な家庭出身で、仕事もしたことがない主人公が、周囲の
 反対を押し切ってのち、すべてを失い、このあとどうなった
 のか気にかかる結末でした。


・こころ
 若いときに、推薦図書的に読んだ記憶がありますが、
 細かい内容は忘れていました。
 若い時に恋人(奥さんになった人)を得るために策略的に
 行動し、結果として友人が自殺した過去を手紙で告白し、
 妻には内緒にし、胸にしまってほしいとしつつも、自分も
 自殺してしまう。
 これほどでなくとも、自分かわいさに計算高いことを行い、
 心が重くなる経験はだれにでもあることだと思いました。


・道草
 少し前に、NHKでドラマ化されたのも観ました。
 小さいころ養子に出され、その後実家に戻った主人公。
 冷たかった実父の思い出と、年老いた養父母がそれぞれに
 (別れたため)お金の無心にくる話が中心ですが、ぐいぐい
 引き込まれます。
 また、この時代にあって主人に負けていない奥さんとの
 やりとりが面白かったです。