読書(ヘミングウェイ集 1)
また40年程前に勢いで買ってしまった全集を1冊読み終えました。
「日はまた昇る」と「武器よさらば」は若い時に文庫本で読んだ記憶は
ありますが覚えてないので、またチャレンジしてみました。
・日はまた昇る
やはりほとんど覚えてませんでした。主人公はアメリカ人の作家で、周囲の人物
も基本的に生活にはそれほど困っていない(働く場面はない)人達の話です。
舞台はフランスとスペインで闘牛が出てきます。
読んでいて何となく村上春樹の作品に通じるもの(主人公の話ですすむ物語、登場
人物の軽妙な会話、酒・食事・女性:型にはまらない恋愛など)を感じました。
短い文章や語り口などもそうであり、村上春樹が影響を受けている(?)ような
印象を持ちました。
1925年頃(第1次世界大戦後)の話なので100年前ですが、そんなに古さは
感じなく、逆に古き良き時代の香りもしました。
人生の深い意味というより、その当時の自由に生きて楽しむ人々を描いていると
思います。
・武器よさらば
これもほとんど覚えてませんでした。結構戦場のシーンが出てきますが、記憶に
なかったです。ただ何となく映画も観た記憶があって、ボートで主人公たちが
嵐の中、湖を越えてスイス領へ逃げる場面や、恋人のキャザリンがお産で亡くな
るところの記憶がかすかにありました。
当時の厭世的な雰囲気が、見事に描かれた作品なのだと思います。(想像ですが)
会話や食事、恋人とのことなど読んでいてやはり村上作品を連想しました。
ストーリーはアメリカ人の主人公が、イタリア軍中尉として第1次大戦に参戦する
も負傷して美しい看護婦のキャザリン(スコットランド出身)と出会い恋人となり
ますがやがて戦況の悪化で退却することになり、そして脱走兵としてイタリアから
スイスに2人で逃亡することに、そして・・・ラストへ
退却するイタリア軍の将校(主人公も)をイタリア軍の憲兵が逃亡者として戦場で
銃殺していく場面が生々しかった。
・われらの時代
短い話の連作(16話)です。特に話がつながっている訳ではなく、話の都度に
背景を理解する必要があり少し面倒ではありました。
この時代の自由人(?)の出来事が描かれているきがします。
・女のいない男達
これも短編集です。特に面白かったものとして・・
5万ドル・・ボクシングの場面の臨場感が印象的でした。
殺し屋・・ 食堂に2人の殺し屋が来ますが、殺す相手は現れなかった。食堂の
店員の男は殺し屋が帰った後に殺されたかもしれない相手(店の常連)
に知らせてやるが・・
挫けぬ男・・老いた闘牛士の話。最後には牛に刺されてしまう・・
・フランシス・マコーマーの短い幸福な生活
アメリカ人の夫婦がアフリカで白人の猟師をやとって狩猟旅行をするなかで、
いろいろな出来事(夫がライオン狩りで逃げてしまい妻に失望される、そして
妻は猟師と不倫するなど)が起こります。
そして水牛狩りの時に、夫が手負いの水牛にやられそうになった時に、妻は
助けようとして銃を撃ちますが夫に当たって死んでしまいます。
映画になりそうなストーリーですが(なっているかも)、狩りの場面や旅の場面
は臨場感があって(作者は経験者です)迫力がありました。
ヘミングウェイはノーベル賞をもらってますが、同時期の他の作家(フォークナー
など)に比べるとだいぶ遅かったそうです。ヘミングウェイは辞退はしなかった
ものの式典は欠席したようです。きっと作品がノーベル賞の委員会の好みではなか
ったのだと勝手に想像しています。
今年も村上春樹(作品は好きです)はノーベル賞に輝きませんでしたが、きっと委員
会の好みではないと以前より残念ながら感じています。ヘミングウェイ同様に遅くて
も受賞できればいいのにと思っています。