読書(凍える牙、日本の城の謎 築城編)
最近、読んで面白かった本です。
①凍える牙
1996年の直木賞受賞作品です。出だしから衝撃的な場面(人が燃えて
ファミレスが火事になる)でがっちり心をつかまれました。
読んでいてあいまいに感じるところもなく、登場人物(特に主人公の
女性刑事と相棒となる中年刑事)の描き方もとてもうまいと思いました。
オオカミ犬が訓練されて殺人犬になるアイデアも斬新だし、一気に読む
面白さがありました。シリーズ化されているなら、次も読んでみたいと
思います。
②日本の城の謎 築城編
文芸書ではないですが、戦国時代から江戸時代にかけての城の歴史が
理解できて面白かったです。(当初は戦う城であったので、天守も
重視されず、土塁で防ぐ実用的なものだったが、太平の世が近づくに
つれて、統括するための城になり、天守も発達したようです)
鉄砲の登場で、精神的にも土塁から、玉をはじく石垣に変化していった
ことがわかりました)
・信玄は城を作らなかったのではなく、つつじヶ崎館(現武田神社)+
要害山城が、当時の発想だった
・秀吉は城攻めの天才で、小田原の一夜城もその一つ
・小田原城は、日本唯一の城郭都市だった(島国で基本的に戦闘員のみ
の戦いだったので城郭がほとんどなかった)
・信長の安土城は、西洋の築城術をとりいれていた
・徳川幕府は防衛のため、各大名に城の絵図を提出させていた(約150
の大名から出され、現在63枚が残っている)
などが、面白かったです。
30年ほど前の本ですが、最近また再販されたようで、人気がある
本のようです。



