読書(旅の途中:筑紫哲也)
ジャズの雑誌にこの本のことが書かれていたので借りて読んでみました。
仕事柄、多方面の方に面識があったようですが、MJQ(モダン・ジャズ・
カルテット)のジョン・ルイスと親しかったということが少し以外でした。
筑紫氏も相当ジャズが好きだったようで、最初はニューヨーク駐在時に知り
合ったようですが、楽しいエピソードが語られていました。
同業者(メディア)や学者以外にも色々な方と交流があったようです。
先日亡くなった長嶋茂雄、美空ひばり、小澤征爾、黒澤明、田中角栄、
三木武夫そして三大テノールのパバロッティ、ドミンゴ、カレーラス
なども登場します。
そしてジョン・ルイスの他に一番「へえ~」と思ったのが、レ二・フェン
シュタール(1902~2003)です。
ヒトラーに気に入られて、ドキュメンタリー史上の傑作とされるあの有名な
ナチス党大会のドキュメンタリー「意志の勝利」とベルリン五輪のドキュメ
ンタリー「オリンピア・民族の祭典、美の祭典」を監督した女性監督ですが、
ヒトラーの愛人との風説もあったようです。
1991年89才の時に会っています。筑紫氏は「ヒトラーはどんな人でし
たか」とも聞いたようですが、「私が会ったころのヒトラーにはオーラのよ
うな人格的影響力があった。彼の敵ですら催眠術にかけてしまう力があって、
この術から醒めるのは難しかった。」と答えたとのことです。
筑紫氏は新聞記者、雑誌編集長の他にTBSテレビ系「筑紫哲也 NEWS23」
でメーンキャスターをつとめられ、すでに何年か前に亡くなられていますが、
この本は2005年の発行です。

