定年待てないオヤジの日記

こころはもう、定年後の自由生活を夢見てる、オヤジの生活日記です。

読書(森 鷗外集)とやっと届いたアベノマスク



図書館がずっと休館で、リクエストした本等が借りられないので、
また、30年ほど前に買ったままになっていた本を、やっと
1冊読み終えました。



長編はなく、41編納められているうちの、面白かった作品を
備忘録を兼ねて簡単に書いておこうと思います。
記憶が定かではないですが、教科書の副読本で、そのむかし、
高瀬舟を読んだ気がします。









・ヰタ・セクスアリス
 自分の性的な自伝的話だと思います。今読めば、特に驚くことは
 ないものの、当時としては、発禁になるような内容だったことも
 理解できます。


・雁
 学生相手の小使いから、高利貸しになり一財産作った男の妾に
 なった女が、主人公(話し手)の友人・岡田と家の前であいさつ
 をする間柄になり、旦那が一泊で出かけるときに、岡田と会おう
 とするも、岡田は主人公も含めた3人で、たまたま不忍池で
 雁を得て、鍋にして食べることになり、3人で妾の家の前を
 通ったことから、声をかけられず、計画はダメになります。
 岡田は次の日には、留学してしまいました。
 このようなこと(縁がないこと)は、きっと誰の人生にもある
 ことだと思います。


・舞姫
 文語体で、読みづらかったです。自分の留学時の経験が、もとに
 なっているようです。
 ドイツに留学した主人公は、偶然エリス(16~18才)と知り合い
 お金の問題もあり、エリスの家に同居するようになり、やがて子供
 を身ごもりますが、主人公は大臣から帰国を促され、故郷を思う
 気持ちと、栄達を求むる心より、どうすべきか迷いに迷います。
 大臣には返事をするも、まだ迷って不調となり、エリスに看病して
 もらいますが、友人の相沢が帰国することを、エリスに話してしまい
 エリスはパラノイア(精神病)になってしまいます。
 結局、相沢がエリスの母に資本を渡し、生まれる子供の世話を頼み
 主人公は帰国することになります。最後にこう書かれています。
 「嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど
  我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。」


・阿部一族
 以前、映画で観たと思います。
 結構勇ましい話です。父が切腹を命ぜられたあと、それを巡って
 上役と対立した息子たちが私邸に籠城して戦い、討ち死にします。
 侍というのも、融通がきかない存在だったようで、殉死も忖度
 しなければならず、最近使われる同調圧力は昔からのことだと
 改めて思いました。


・安井夫人
 題名通り、幕末に安井夫人となったお佐代さんの生きざまに
 共感しますが、小町といわれたお佐代さんが、なぜ仲平(疱瘡
 の跡が残り、小男で見かけはわるい)の妻に申し出たのかは、
 書かれていません。映画やドラマになりそうな(もうとっくに
 なっている?)ストーリーだと思います。


・山椒大夫
 有名な話なので、だいたいのストーリーは子供のころより
 知っていますが、一から創作した(参考にするようなものも
 なく)のならばすごいことだと思います。
 以前、映画を観ましたが、原作に忠実であったことが、今回
 読んでわかりました。


・じいさんばあさん
 隠居している仲の良い二人の過去の話です。
 じいさん(伊織)は、若いころに欲しい刀があり、知り合いに
 謝金をして購入するも、祝いの会で、なぜ招かないのかと諍いに
 なり、その刀で相手を切り殺してしまいます。そして、越前へ
 流されます。 許されて江戸へ帰れることなり、ばあさん(るん)
 は千葉から江戸へ出て、37年ぶりに再会しました。


・最後の一句
 死罪となった父を助けるため、子供たち(13、14才の長女が
 中心となって)が、お上に請願書を出しに行く、短い話ですが、
 どうなるだろうと思いながら読みました。結局、死罪は免れて
 追放となりました。
 最後の一句は、「お上の事に間違いはございますまいから」と
 献身の中に潜む反抗のほこさきでした。


・高瀬舟
 生活苦から自殺を図るも、死にきれなかった弟を安楽死させて
 罪に問われ、遠島される罪人の話です。京都の町を高瀬舟で
 運ばれますが、役人から事情を聞かれて、生活の苦労がない
 今が幸せですと話し出します。



長くなりましたが、文語体や候文、外国語が多かったり、難しく、
読んでいて眠くなること多々ありました。
鷗外の作品で面白いものは、劇的な展開となるものが多い気がします。
きっと、再読するといろいろわかり、理解が増す気がします。




一昨日、我が家にも、待ちに待った(もう、わけではないですが)
アベノマスクがやってきました。





TVで見た通り、2枚でした。まだ使用していません。